私がフォトグラファーとして独立して世の中と関わろうとした時に強く思ったことで今でも大切にしていることです。今までの経験では、広告代理店やデザイナーを通して、お客様と仕事をする機会が少なくお客様からの直接の依頼で写真を撮影する機会が多く取材も兼ねながらどのようにして今があるのを聞きながら撮影をするようになっていたからそう思うのかもしれません。
お話しをしながら思いを聞くたびに、ひとによって大事なものや見える色や風景が違うのを以前から感じてました。外から見るとわからない依頼者の思いや意図、人や物との関わり方に触れれば触れるほど違いがわかりお客さんの見えているものを、一緒に見て触り体感し、お客さんが見えているそのものを素直に表現したいと思うようになりました。そのような関わり方で一緒に作ったイメージは私も愛着をわいてもらえて、私自身にとっても撮影の一つ一つが思い出となります。
写真家であれば自分自身が見た眼差しを仕上げるまで一方通行で表現することが非常に重要ですが、依頼者がある広告などの仕事は誰の眼差しなのか考えて誰が見たいのかまでを意識することはもっとすごく重要だと考えています。
撮る対象物は、食べ物、建築、人、物と多岐にわたりますが全てにおいて人が関わっていることがわかる熱(温度・気配)が感じられる写真になればと思っています。